姿なき空間に札幌の歴史と自然を観る 『札幌国際芸術祭2014』

2014-08-24 10.38.52

北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館などで
開催されている『札幌国際芸術祭2014』

アソシエイト・キュレーターの飯田志保子さん
企画意図や作品・作家についてお話していただきながら
作品を鑑賞するという贅沢な経験をしてきました。

札幌としては初めての国際芸術祭、
いまや世界のあちこちで国際芸術祭が行われており、
札幌で開催する意味を見せる必要があります。

札幌の成り立ちを語り、
自然豊かな大地と都市の姿を感じさせる作品を展示することで
新しい芸術祭を演出しています。

しかし、広大な北の大地そのものを
美術館に押し込めるのは無理があります。
飯田さんが選んだ作品は、
主題をストレートに見せず、
感性で観るアート。

平川祐樹さんの『Vanished Forest』
足下と天井に置かれたモニター。
足下のモニターには切り株の映像、
天井のモニターは、真ん中があいていて
その周りを揺れる木の葉。

少し離れて2つのモニターを観ていると
かつてすくっと伸びていた木の幹が浮かんできます。
それは、幹をプロジェクションするよりも鮮やかで
いつまでも記憶に残る光景。

2014-08-24 12.29.12

2014-08-24 12.28.46

古く錆びたトロッコの周りに置かれた白いお椀。
宮永愛子さんの『そらみみみそら(mine・札幌)』

2014-08-24 12.51.35
じっとこの場所で佇んでいると、
微かな音が聞こえてきます。
この日は、残念ながら聞こえませんでしたが、
お椀の釉薬と陶器の膨張率の違いで、
少しずつ表面にヒビが入るときの音。

今回の作品は、札幌の発展に貢献し今は廃坑となった
鉱山の水を使って作ったお椀。

2014-08-24 12.49.06

そこに水がないのに水を感じ、
古びたトロッコに山の面影を感じ、
じっと音の鳴るのを待っていると、
そこで働いていた人々の躍動を感じます。

現代アートのもつ力
それは、姿なき空間がもたらす計り知れない力