岩崎貴宏『Layer and Folding』

岩崎貴宏

銀座 蔦屋書店岩崎貴宏さんの展覧会が開催されています。

岩崎さんは、歯ブラシ、タオル、文庫本の栞など日用品の繊維を使って鉄塔など繊細な作品を創ってきました。

今回の展示は、蔦屋書店のATRIUMが会場です。

高さ1.6m、横2.2mという大きな枠が5面、ATRIUMの中央に屏風のように配置され、宙吊りになっています。この空間は和をテーマにしているということで、屏風や襖を思わせる展示にしたそうです。作品は全て黒い色にしてあり、水墨画を思わせます。

天井高が高い空間、書店で多くの人が行き交う場所、作品を浮かせることでゆっくりとした動きが生まれ存在感が増しています。

この枠の中には、タオルなどを使って地球の地層と鉄塔や橋が表現されています。

素材を変えることで地層が描かれ、褶曲はもちろん断層までも表現されていてリアルな地層を見ているようです。

岩崎貴宏

鉄塔や橋の繊細さは岩崎さんならではですが、今回地層と一緒に描いたことで、地球がいかに大きくダイナミックな存在であるか、人間が我が物顔に開発を続けているけれどもそれは地表のほんのわずかにしかすぎないことがよくわかります。

繊細な造形なので、儚い存在であることがより鮮明になっています。

地表の部分をよく見ると綿棒や歯間ブラシなどを使って多様さを表現しています。

岩崎貴宏

実際の地球と同様に観察すればするほど、いろいろな気づきが出てくる作品です。

GINZA ART EXHIBITION:岩崎貴宏 Layer and Folding

会期:2018年12月27日~2019年1月14日

会場:銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM

東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F