NHK連続テレビ小説『エール』第9週「東京恋物語」
作曲家・古山裕一(窪田正孝)の妻・音(二階堂ふみ)は音楽学校の学生。
学校の記念公演「椿姫」のヴィオレッタ役を決める選考会で音は二次選考に残るが、審査員に「あなたの歌からは何も伝わってこなかった。最終選考で選ばれるのは難しいと言われる。」
音は、男女の機微を実践で学ぼうと、男女の社交場であるカフェーで臨時雇いの女給として働くことに。そこで、裕一の友人鉄男と女給として働いている希穂子が再会する。
二人は付き合っていたが、鉄男が働く新聞社の社長が鉄男と娘を結婚させようとして、希穂子に別れるように仕向けた。
再会したものの、希穂子は「結婚が決まった」と鉄男のためにうそをつき去っていく。
人は心の内と言っていることが逆な場合もあることを察することができるようになった音。
一方、選考会のライバル千鶴子はひたすら歌の技術を磨いていた。
音は最終選考で、鉄男と希穂子の姿を思い浮かべ歌うことでヴィオレッタ役をつかむ。
このストーリーは、何かを生み出す時には、技術を追求するだけでは不十分で、その制作物に触れる人たちの心を動かす何かが必要であることを語っている。
これは大量生産されているようなプロダクトやサービスにも言える。
人々が行動する時、感情→思考→行動という順序をとる。
そのプロダクトやサービスに対してワクワク感などを抱いてもらうことが重要。
私は今、2台のPCを使っている。
機能的にはどちらも同じことができるけれど、片方は洗練されたスタイルと操作性を有し、とてもいい仕事ができる気分になる。
このPCを作っている人たちが、自分たちの製品を愛し、誇りに思っていることが伝わってくる。
人の心を動かすことはとても難しいけれど、まずは自分の心を動かすことから始まる。
巣ごもりの期間、妻が食パンを焼くようになった。
オーブンの中で膨らんでくる生地を見ると期待感が高まってくる。
小麦粉の種類を変えると、膨らみ方や味がドラスティックに変化する。
そんなちょっとした驚きでも毎日蓄積していくことで、心を動かす感性を研ぎ澄ますことができる。
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