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国際舞台芸術ミーティング in 横浜2017 参加プログラム、
タイのアーティスト、アピチャッポン・ウィーラセタクンによる
『フィーバー・ルーム』が神奈川芸術劇場ホールで上演されました。
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ほとんど灯りのない不穏な雰囲気の客席。
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4チャネルの映像が流れる。
その映像は、病院に横たわる女性の夢。
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いつしか一人の男が洞窟の中を彷徨っている。
客席と同様、灯りのない洞窟、
出口を光を求めて彷徨う。
観ている私も息苦しくなってくる。
現在のタイの人々の閉塞感を表現しているらしい。。。
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映像が消え、無数の白い光が乱舞を始める。
光に包まれた身体が浮遊していく。
この浮遊感はなんとも心地いい。
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彼方からひときわ明るい光が渦を巻いて向かってくる。
白い光だけでなく、緑や赤の色のついた光がオーロラのように揺れている。
宇宙戦艦ヤマトがワープをしているとき、
きっとこんな感覚になるに違いない。
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そしてワープのたどり着いた先はもちろん宇宙、
光が層になり、大気圏と宇宙空間の境界を描く。
大気圏から抜ける瞬間、体は震え、なんとも言えぬ感動を覚える。
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宇宙飛行士の多くが、宇宙空間で神を見たと言う。
私が見ている光の層も、今まで見たことのないほどの崇高な輝き。
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閉塞感からの飛翔のエネルギーだからこそ創り出すことができた
身体の全ての細胞を覚醒する光。
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アピチャッポン・ウィーラセタクン 『フィーバー・ルーム』
KAAT神奈川芸術劇場 ホール
2017年2月12日