日本開発工学会 学術誌「開発工学」に巻頭言および連載論文が掲載

 

 

この度、日本開発工学会の学術誌「開発工学」Vol.44 No.2 (2024年) に、弊社代表の長谷川一英による巻頭言と連載論文が掲載されましたので、お知らせいたします。

 

巻頭言: 「研究者とアーティスト: 探求と創造の彼方へ」

 

本巻頭言では、一見異なる分野に思える研究者とアーティストが、共に「未知への飽くなき好奇心」と「本質を探求する強い意志」を原動力とする「知的狩猟採集者」であるという視点から、イノベーション創出における両者の共通性と可能性について考察しています。科学の厳密さとアートの大胆さを融合させる「開発工学」の重要性についても触れています。

 

連載論文: 「産業界に変革をもたらす『アート思考』の論理と実践 第3回 アート思考のパターン (2)」

 

本論文は、イノベーションを加速させるためのフレームワーク「アート思考」の具体的なパターンを深掘りする連載の第3回です。前回の3つのパターンに加え、今回は以下の3つの新たなパターンとその産業界における具体例を詳細に解説しています。

 

  1. 概念の拡張: 既存の考え方や定義を超えて、その適用範囲を広げることで新たな可能性を見出す手法です。鈴木ヒラク氏のドローイングの再定義やソニーの「ハートウェア」の事例を通じて、その本質的な価値の再定義と市場・事業機会の創造への貢献を論じています。

  2. 「ありえない」と「わからない」の価値: 従来の常識を打ち破る画期的なイノベーションを生み出す上で不可欠な要素です。19世紀後半に登場した印象派の絵画が当初「ありえない」と批判されたことや、iPhoneが発表された際に多くの人々が「わからない」と感じた事例を挙げ、その重要性を示しています。

  3. ドリフト走行: 予期せぬ事態や困難に直面した際に、柔軟に方向性を転換することで新たな発見や創造に繋げる思考法です。田村友一郎氏の映像インスタレーション作品《見えざる手》やファイザーのバイアグラ開発を例に、その実践的な側面を考察しています。

 

これらの記事が、皆様のイノベーション推進の一助となれば幸いです。

 

関連記事

 

未知の価値を掘り起こせ:概念拡張で新たな市場を創造する

「ありえない」と「わからない」:イノベーションの扉を開ける鍵

ドリフト走行によるアート制作:新たな発見で思いもよらぬ創造を

アーティストがイノベーションを加速させる:新たなプレーヤーとしての可能性

研究と創造 – 好奇心と探究心が拓く人生