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ワタリウム美術館で、坂本龍一さんの8年ぶりの新作asyncを鑑賞する「設置音楽展」が開かれています。
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現在、坂本龍一さんは、物質固有の音に興味があるといいます。例えばピアノは、もとをたどれば木や鉄鉱石、弾くのではなく、ピアノのいろいろな部分を叩いたりして、どんな音がするのか試しています。
そんなふうにして集めた音、自然の音、さらには朗読をも編集して創った作品。
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音を集めた作品は数多くあると思いますが、asyncでは、坂本さんの作曲した透き通るような音楽が様々な音と呼応して独自の世界を創り出しています。
そして、音とは何かを問いかける作品でもあります。
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私たちは数多の音に囲まれていますが、普段はそれほど気にしていません。
しかし、asyncのように一つ一つ分解すると、とても新鮮に響いてきます。
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ワタリウムでは3種類の映像インスタレーションとともにasyncを聴くことができるのです。
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2階は今回の展示のメインフロア「async-drowning 」、5.1chサラウンドMIXの抜群の音響を高谷史郎の映像とともに鑑賞できます。
楽器などの物がデジタルのラインに変化していきます。固有の音をと同様に固有の色を抽出しています。このクールな映像とともに聴いていると、音が身体に突き刺さり、今まで眠っていた細胞が目を覚まし喜んでいるようなそんな感覚になります。
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4階は、「async-first light」、タイのアーティスト、アピチヤッポン・ヴイーラセタクンとのコラボレーション、アピチャッポンが制作したビデオインスタレーションとともにasyncが流れています。ビデオの後半、人々やイヌの寝顔が次々に写し出され、映像とともに高音が響いています。
そしてふと気づきます。私達生物は、夜寝ている間に宇宙と交信しているに違いない!!
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3階には、アートユニットZakkubalanが制作したインスタレーションがあり、asyncが創られたNYスタジオのイメージなどを観ることで、この音楽が誕生してきた過程を追体験できます。
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一緒に観る映像によって、音の表情がガラッと変わってしまうのですね。なんとも不思議な存在。さらに不思議なのは、いつまでもいつまでも聴いていたくなることです。まるでセイレーンの歌声のよう。音の海に引きずり込まれることのないよう、強い意志を持って音と対峙しましょう。
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坂本龍一 設置音楽展
2017年4月4日 – 5月28日
ワタリウム美術館
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