世田谷のXYZ Collectiveで行われている
Sprout Curationのグループ展『NEW BALANCE #1』
青木豊、ブライアン・ドゥーリー、河田展子、服部憲明の
4人の作品で構成されています。
単に油絵具や水彩で描くのではなく、
様々なメディア、ツールを駆使して、新しい表現にチャンレジしています。
シルバースプレーが特徴的な青木豊さん、
新作は、シルバー地に、敬愛するアーティストのイニシャルをレイヤーにしています。
デュシャン、ゲルハルト・リヒター、マティス...
DとRがモノトーンなのに対し、
Mのラインが数種類の色で描かれ、作品に厚みが出ています。
中央に大胆なタッチのフォルム、
新たなアートが生み出されるホワイトホールのような存在。
大きなコンセプトで、巨匠たちを超えようという意欲を感じます。
服部さんは、最新のツールを使った作品を創っています。
下地を黒、表面を白で塗り、レーザーカッターで削ることで
黒を表出させています。
どの程度削るかで表情が変わり、ラインが交差することで生まれる奥行きや
白い部分にできる立体的な陰影を観ることができ、
可能性を秘めた手法だなと感じます。
海外から招いたブライアン・ドゥーリー、
グアバジュースというこれまた普段使わないメディアをつめたボトルの中に、
イカ釣り船のライトを入れた作品、
そして、同じメディアを使った平面作品を組み合わせて展示。
落ち着いた有機的な色が、ギャラリーに温かみをもたらしています。
個性的なアーティストたちの挑戦の場ですが、
お互いの作品は調和していて、なんとも居心地のいい空間になっています。
まさに”NEW BALANCE”!
新たなアートへのエポックメイキングな展覧会となることでしょう。