ドレープ・イリュージョン − 今井俊介『gallery show』

今井俊介

鮮やかな色のストライプの旗が印象的な今井俊介さん、
HAGIWARA PROJECTSで展示が行われています。

今回の展示では、
ストライプの作品を創り始めた頃のものを取り上げています。

知人の女性のチェックのスカートが、
波打っているのを美しいと感じ、
ストライプの旗を描くことを思いついたといいます。

最初に取り組んだ作品は、
マスキングなどしないで
フリーハンドでストライプを描いていて、
素朴な味わいがあります。

今井俊介

その後、制作方法も進化を遂げ、
ストライプを描いた紙を歪ませ、
それをモチーフとして使っています。

ストライプは、アクリル絵具でムラなく描かれ、
マスキングをすることで、ラインがシャープになっています。

これらの技法により、
平面でありながら、旗が風になびく空間を創り出しています。

このドレープ・イリュージョンが空間を生み出しましたが、
時間の方は逆に消失させるという
ダブルのイリュージョンになっています。

今井俊介

今回の展示作品は2012年に制作されていますが、
描かれた時代背景や社会状況などを
作品から感じることができなくなっています。

時間と空間に影響を与えるドレープ・イリュージョン、
時代を超えてポップであり続けることでしょう。


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