日本開発工学会 第8回研究発表大会にて「事例分析とアーティストの思考プロセスから探るラディカルイノベーションの源泉」を発表

この度、2025年6月22日(日)に開催されました日本開発工学会 第8回研究発表大会において、弊社代表の長谷川一英が、「事例分析とアーティストの思考プロセスから探るラディカルイノベーションの源泉」というテーマで発表を行いましたので、お知らせいたします。

本発表では、今日のビジネス環境において企業が持続的な成長を遂げるために不可欠な「ラディカルイノベーション」の源泉を、新たな視点から解き明かすことを試みました。特に、これまでの経営学の理論ではあまり注目されてこなかった、以下の3点に焦点を当てて考察しました。

  1. ラディカルイノベーションの多くは「自分起点」で生まれる
    分析対象とした40件のラディカルイノベーション事例のうち38件において、その出発点が顧客からの要請や市場調査ではなく、創業者や開発者自身の内なる「違和感」や「問い」であることが明らかになりました。これは、従来の「顧客満足至上主義」では説明しきれない現象であり、イノベーションの源泉を「自分」に求める意識改革の必要性を示唆しています。

  2. 「問い」と「解」の間には「非連続な飛躍」が存在する
    革新的なアイデアが生まれる過程では、「問い」から「解」へと至る道のりに、論理的なつながりだけでは説明できない「非連続な飛躍」が見られました。これは、偶発的な発見や異分野の技術の組み合わせなど、予測不能な要素が重要であることを示しており、イノベーションへのアプローチに柔軟性を持たせることの重要性を浮き彫りにしました。

  3. ラディカルイノベーションの創出過程は現代アートの制作過程と酷似している
    これらの「自分起点」の問いを深め、「非連続な飛躍」を生み出すプロセスは、現代アートのアーティストが自身の内なる関心を起点に、既存の枠組みにとらわれず、独自の表現を追求していく過程と驚くほど共通していることが分かりました。このことから、ラディカルイノベーションのコンセプト創出において、「アート思考」が極めて有効なアプローチとなりうることを提言いたしました。

本発表を通じて、ビジネスパーソンや経営層の皆様が、日常の中に潜む「問い」や「違和感」に目を向け、これまでの常識にとらわれない発想で、新たな価値創造に取り組むきっかけとなれば幸いです。

 

本発表に関する記事をNewsPicksとnoteに掲載いたしました。こちらもご覧いただければ幸いです。

 

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