私たちの身の周りにはモノが溢れています。それらのモノには、私たちの生活を便利にする機能が備わっています。しかし、視点を変えると全く別の姿が見えてきます。アーティストの冨井大裕さんは、既製品に最小限の手を加えることで、それらを固定された意味から解放し、色や形をそなえた造形要素として、「彫刻」のあらたな可能性を模索しています。
冨井大裕さんをお迎えして、アート思考サロン in 代官山 第2回 冨井大裕氏と語る「思考の飛躍:日常から異次元へ」を開催します。
日用品を本来の機能から解放させる
冨井大裕さんは、スーパーボール、画鋲、お店の紙袋など、日常のありふれたモノを使って作品を制作しています。例えば東京国立近代美術館で展示された画鋲を敷き詰めた《ゴールドフィンガー》、27,225本の画鋲を整然と並べ壁に押し込むと、普通の画鋲が作品としての輝きを帯びてきます。
画鋲も27,000本並ぶと紙を貼るという本来の機能ではなく、異次元の世界が見えてきます。機能第一でモノを見てしまう私たちに気づきを与えてくれます。
想定を超えた驚きに出会う
冨井さんは、本来の機能から解放させる作品制作について、次のように語っています。
使い込みすぎてたり、知らないものでは作れなくて、一般的な使い方は知っているけど馴染みのないものを使います。顔見知り程度の距離で素材と接すると、色々なものが見えてきます。キャラクターとしての日用品の顔ではない、一つの物体として素材の使い道を考えることができる。
このようにして、日常のモノから異次元の世界を創り出すことができたときの驚きを大切にしています。
冷蔵庫の中のあり合わせでつくるチャーハンが、妙に美味しかったりすることってあるじゃないですか?
思いがけずくっついてしまう関係や、もの同士の意外な関係性を探る事で、作品が完成した時には自分こそが驚きたいと思っていますし、それが僕にとって大切なこと。想定を越えた驚きがあった時にはじめて作品として仕上がるんです。
異次元を創出するワークショップ
今回のアート思考サロンでは、皆さんのところに、なんらかの告知のために送られてきたDMを彫刻に変貌させるワークショップを行います。
そして、自身が制作した作品を書店の「ここだ」と思ったところに置いて、異次元を創出していただきます。
冨井さんと一緒に驚きの体験をしていただけます。
皆様のご参加をお待ちしております。
開催概要
アート思考サロン in 代官山 第2回 冨井大裕氏と語る「思考の飛躍:日常から異次元へ」
日時:2023年12月6日(水)19:00~ 21:00
場所:代官山蔦屋書店3号館 2階 SHARE LOUNGE
詳細、お申し込みはこちらからお願いいたします。
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