企業とアーティストをつなぐArt-Driven Innovation Platform事業が美術手帖オンラインに掲載されました

Art-Driven Innovation Platform

 

美術手帖オンラインに弊社のArt-Driven Innovation Platform事業についての記事が掲載されました。

 

VUCAの時代と呼ばれ、コロナで社会が大きく変わりつつある中、今までの常識が通用しなくなっている場面が多くなっています。企業もこれまでの延長ではなく、視点を変え、思考を飛躍させて進むべき方向性を決めていくことが必要です。

 

一方で、現代アートのアーティストたちは、常に思考を飛躍させて唯一無二の作品を制作しています。

 

企業の方向性を議論するプロジェクトに、アーティストが参加することで、企業のメンバーだけでは見いだせないような、新たなコンセプトを創出できるのではないかと考え、本事業を提案しました。

 

組織の中にアーティストが入り、アートの考え方を取り入れることで組織に学習や変化を引き起こすことを「Artistic Interventions」と呼びます。従来の企業による芸術文化支援、ブランディングやマーケティングでのアーティストとのコラボレーションとは異なる、企業とアーティストが長期間特定の問題に取り組み新たなコンセプトを創出する活動で、欧米を中心に活発に行われています。アーティストにとっても、企業の人たちと接することで新たな気づきを得られ、以降の作品制作によい影響をもたらすと期待できます。

 

弊社は、このArtistic Interventionsを日本で普及させるため、「Art-Driven Innovation Platform」事業を立ち上げ、企業とアーティストをつなぎ、新たなコンセプト創出のファシリテーターとして活動しています。今回は、文化庁の文化戦略推進事業の一つとして、コニカミノルタ株式会社での、アフターコロナに進むべき方向性を議論するプロジェクトのメンバーとして、アーティストの久門剛史氏に参加していただきました。

 

オンラインミーティングによる企業のメンバーと久門氏との思考の激突に加え、「新たなコンセプトを出すには企業活動のスピードにブレーキをかける必要がある」との久門氏のアドバイスに基づき、往復書簡を実施しました。これは、久門氏からメンバーに刺繍、ドローイング、彫刻の課題が送られ、作品を制作して返却するというものです。作品を制作するにあたっては、コンセプトを明確にする必要があり、思考を深めることになります。

 

久門氏は、返却された作品およびオンラインミーティングでの議論から、12枚のドローイングを制作しました。このドローイングを基に、企業の各事業部から集まった社員によるワークショップを行いました。最終的に、個人個人で、今後企業が進むべきビジョンを創りあげました。通常は事業起点で考えるため、事業の状況を考慮したものになりがちですが、アートを起点にしたことで、そのような状況を超越した抽象度の高いビジョンを創出することができました。

 

Tsuyoshi Hisakado

ワークショップに参加したメンバーからは、次のような声がありました。

「アートという新しい世界観でビジョンを創ることができた。」

「アーティストと実施したスキームは、社内で資産化できると思う。」

「初めての試みだったが、期待以上の成果で、次につながると思う。」

 

久門氏は以下のように語っています。

「企業もアーティストも、世界をよりよくしようとしている点では共通している。お互いがフラットに関係をもてる場をいかにつくるかが重要だと思う。日本では美術作家は得体の知れない存在だが、このような企業とのコラボレーションが認知され、作家の社会的価値を知ってもらうことが重要だと思う。」

 

弊社は、Art-Driven Innovation Platform事業を通じて、企業とアーティストのコラボレーションの機会を増やし、双方の価値を高める活動を続けて参ります。

 

 

関連リンク

コニカミノルタ株式会社

久門剛史

文化経済戦略推進事業