創造性を発揮する 秘訣としての「つなぐ力」

青野文昭「なおす」

 

創造性 – なんとも魅力的な響きのする言葉です。

非常に変換の激しい現代、マニュアルにしたがっているだけでは最早対処できず、

創造性が必要になっています。

 

2020年に必要とされるビジネススキル

世界経済フォーラムの調査によると、

「創造力」は2015年時点では10番目に必要なビジネススキルでしたが、

2020年時点で必要になると予測されるビジネススキルとして第3位に急上昇しています。

新しい技術を社会実装するには、創造性が重要になると指摘されています。

 

創造性や創造力は、それではどのように身につければいいのでしょうか。

 

創造性とは「つなぐ力」

スティーブ・ジョブスは

「創造性とはいろいろなものをつなぐ力だ」と言っています。

また

「技術がリベラルアーツや人間性と出会い、“結婚”することで人の心が喜ぶ(歌う)ものが生まれる」

とも言っています。

 

世の中に全く存在しないものを創り出すことは非常に難しい、

既にあるものをつないで、新しい価値を見出すということが創造性には重要になってきます。

 

つなぐことによる新たなビジネスモデル「UberEATS」

例えばUberEATS、フードデリバリーとシェアリングエコノミーをつないでいます。

飲食店にとっては、自ら配達員を確保する必要がなくなります。

そして、配達パートナーは、自分の空いた時間だけ仕事ができるとあって

働き方改革にもなっているといいます。

 

私たちはフードデリバリーもシェアリングエコノミーも知っています。

普段見慣れているものも、視点を変えていろいろな角度で捉えて、

自分の中にいっぱい引き出しを作っておく。

そして、一見つながりそうもない物事をつないでみて、

なにかワクワクすることが起こりそうかどうか考えてみる。

このような取り組みを続けることで、新しい価値を創造できるようになるのではないでしょうか。

 

日本人の創造性

IDEOのマイケル・ペン氏の言葉です。

「日本という国では、なかなか自分の創造力や表現を人に見せたりできない人が多いかと思いますが、自分がやることに対して創造力を発揮できると信じることが重要です」

「日本は時代の変化にうまく対応しながら100年以上続く企業が世界一多い。日本人独特の利他的なものづくりの文化は、人間中心のデザインからイノベーションを生み出すことと、とても親和性が高いと思っています。」

なんとも頼もしく嬉しいコメントです。

 

「つなぐ」引き出しを増やすための現代アート

自分の引き出しを増やすために、現代アートにふれることが私のお薦めです。

森美術館で行われている「六本木クロッシング2019展:つないでみる」

まさに、多様なものをつなぐことで生み出されたアートが所せましと並んでいます。

 

青野文昭さんは、「修復」をテーマに作品を制作しています。

今回は、古い車や家具を組み合わせて全く新しい彫刻を創り出しています。

車のボディの金属と、家具の木材がいつしか一体になっていて

つなぐということがストレートに伝わります。

 

青野文昭「なおす」

青野文昭「なおす」

「自分が知らない他者がつくった部分と、自分がつくった部分がひとつに融け合っているところに特徴がある。」

そしてこれは、「本物って一体何なんだ?」という問いになっていると言います。

 

つないでみて、できたものに対して「問い」を立てる。

これが、次の創造につながって、説得力のあるモノを創り出すことができるのですね。

 

「美術という表現に大きな魅力を感じているのは、自分ではないモノに表現を託すことができる点なんです。良い作品というのは、そのモノ自体が残り続け、強い説得力を持つようになる。」

 

 

開催概要

六本木クロッシング2019展:つないでみる

会期:2019年2月9日~5月26日

会場:森美術館

東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階

 

関連リンク

森美術館

青野文昭

 

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