綿が織りなす歴史 – インカ・ショニバレMBE『さようなら過ぎ去った日々よ』

インカ・ショニバレMBE

横浜美術館で、6人の作家による展覧会
「BODY/PLAY/POLITICS」が行われています。

最初の展示はインカ・ショニバレMBE
ナイジェリア人の両親のもとロンドンで生まれ、
ナイジェリアのラゴスで育ちました。

ナイジェリアでは、ろうけつ染めの色鮮やかなカンガ(アフリカ更紗)
民族衣装として纏っています。

展示されている蝶に乗った双子、ハイビスカスの脇で佇む少年
いずれもカンガを着ています。

インカ・ショニバレMBE
ところがこのカンガ、西欧の植民地政策によってもたらされたものでした。

古来、ヨーロッパには綿はありませんでした。
綿花は北の地域には育たないのです。
ヨーロッパの人は、インドには子羊のなる木があると信じていたほどでした。

産業革命、
イギリスは、アジアから仕入れた綿から機械織り、機械染して作った布を
アフリカに輸出するようになりました。
アフリカ植民地は、ヨーロッパの工業製品の消費地という役割を強いられてきました。

今回展示されている映像作品
カンガで作られたドレスを纏った女性歌手、
オペラ『椿姫』のヴィオレッタに扮し、
アリア「Addio del Passato(さようなら、過ぎ去った日々よ)」で、
イギリスの英雄ネルソン提督の死を悲しむ。

インカ・ショニバレMBE
当時、綿がいかにイノベーティブな素材であって、
イギリスは覇権国として繁栄し、
植民地は文化にさえも影響を受ける、
綿をめぐる欲望の歴史。

BODY/PLAY/POLITICS
2016年10月1日〜12月14日
横浜美術館


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください