小山登美夫ギャラリーでオノ・ヨーコの個展が開かれています。
こんなにも凛として美しい展示はなかなか観ることができません。
まず目に入るのが、硝子でできたハンマー、シャベル、
そして天井付近に吊るされている鍵。
ギャラリーの空間にピシッとした緊張感をもたらす
シャープで隙のない美しさ。
2014年〜2016年に制作されたこれらの作品、
閉塞感に溢れた東京を叩き割ろうという
意思の表れかもしれません。
ギャラリーの三方は、壁に障子が設置されています。
そして障子紙に小さな文字でメッセージが。
2003年パリ市立近代美術館で行われた個展に合わせて出版された
「Spare Room」という本に掲載されたテキストです。
それぞれのテキストの意味合いを考えながら読んでいると
どんどん時間が過ぎていきます。
多くの人が、絵画を観るよりも遥かに長い時間、壁(障子)と対峙している、
言葉の向こうに、オノヨーコの深遠な宇宙を観ているのです。
オノ・ヨーコ展『硝子の角』
2016年5月14日〜6月25日
小山登美夫ギャラリー