宇宙と交信する方法 菅木志雄の『アクティヴェイション』

2014-11-03 10_Fotor

「もの派」の作家の一人として注目され続けている菅木志雄さん
70年代以降の作品から新作までを展示した企画展が
ヴァンジ彫刻庭園美術館で行われている。

そのオープニングで、菅木志雄さん自身によるパフォーマナス
『アクティヴェイション』が行なわれました。
2009年以来5年ぶりの『アクティヴェイション』、
私は初めての体験。

巻かれた針金をおもむろに宙に向けて伸ばし始める。
続いて針金で輪を作り出したかと思うと
細い針金をおにぎりのように丸めボール状にする。

輪の中にボールを置いてちょっとしたら
輪を動かし、またボールを置く。
この会場に宇宙のエネルギーを集めているかのよう。

模造紙を3つ繋ぎ合わせ、たたんだかと思うと
端から切り小さいピースにして、床のあちこちに配していく。
紙を置いていく動作は、自らの意思ではなく、
宇宙の大きな意思に動かされているように見える。

白いテープを床に貼り、小さな四角を作ると
その四隅に小石を並べる。
石のように自然のものが出てくると神秘的な雰囲気が増してくる。

極め付けは、木の棒の中央部分をヤスリで削り、
そこに針金を巻いてコイルを作ったところ。
まさに宇宙と交信するためのアンテナ!!

そして、紙を白く塗るのに使ったペンキ。
その缶の蓋、
床におき忘れているよ!と思ったら、
いつの間にか作品に取り入れられている。

そして最後は、小石と宙に向けて立てた針金を残して
全てビニール袋に回収し、幕。

その空間は、
アクティヴェイション前とは明らかに
気配が異なっていた。


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