森美術館で始まった『リー・ミンウェイとその関係展』
新たな作品に出会うたび、私たちは決断を迫られる。
私たちの決断が、作品を完成させる。
箱の上に置かれた2つの石。
同じ形だけど、一つは本物の石、
もう一つはリー・ミンウェイが創ったブロンズの複製。
作品名は「石の旅」
この作品を購入した人は、
石かブロンズ、どちらかを手放さないといけない。
地球の歴史の中で自然が創り出した石、
人工のブロンズの彫刻、
どちらに価値があるだろうか?
それぞれの歴史の長さが台に刻まれている。
私だったら、自然が生み出したアートを選べるだろうか?
椅子のような不思議なライトに囲まれた2つのベッド、
リー・ミンウェイととともに美術館に泊まることができる、
とってもスペシャルなプロジェクト!
「プロジェクト・ともに眠る」
でもリー・ミンウェイと会話するには英語か中国語、
彼はどんなことを話してくれるのだろう。
ここに泊まる人は、展覧会の期間中
自分の使っている物を椅子の上に置いておく、
リー・ミンウェイの愛用品は既に置かれている。
川に沿って花が咲いているように
切り花が並んでいる。
この花を一つ持って帰ることができる。
作品名「ひろがる花園」
ところが、帰り道に大きなミッションが課される。
出会った知らない人に、この花を渡さなくてはならない。
もちろん誰も見ていないので
家に持って帰ってしまってもペナルティはない。
でも、誰かに花を渡すことで
ちょっとだけ明日が変わるかもしれない。
そう、リー・ミンウェイの作品は、
私たちの生活を、社会を少しずつ変革していく力がある。
その力が発揮されるとともに
展覧会の様相が日々変化していく...