西野壮平『Action Drawing: Diorama Maps and New Work』

西野壮平

写真家・西野壮平さんの展覧会が
IMA Concept Storeで行われています。

西野さんは、写真で都市の地図を描く「Diorama Map」で有名です。
この作品を創るプロセスは想像を絶するものがあります。

一つの都市をくまなく歩き回り、
それぞれの地区の印象を記憶していきます。
そして、何を撮るかを決めて何千枚、何万枚と写真を撮りまくります。
建物だけでなく、街を歩く人々や飲み屋のサインに至るまで、
街の特徴を感じられる対象はどんどん撮っていきます。
撮影のために滞在する期間は一月から2ヶ月。

スタジオに戻ってくると、
撮りためたフィルムのダイレクトプリントを作りカット、
山のようなプリントを大きなキャンバスに並べ、
自分の記憶した印象に従って地図を制作していきます。

プリントを並べ終えたら、その地図全体をもう一度撮影して完成。
完成までには数ヶ月の時間がかかります。

少し離れて全体を眺めると、確かに地図、
東京だと山手線が一周していて、中央に東京タワー。
ところが近づいてみると、様々なものが写っていて、
一つ一つ辿っていくととても面白い。
東京大学安田講堂の上に動物が乗っかっていたりします。

西野壮平
それにしても、こんなにも膨大な作業をしてまで
地図を作るのはどうしてなのでしょう?

撮影した写真を選んで横に並べて展示したり、
写真集やスライドショーという表現の方法もあるはず。

都市にはいろいろな機能があります。
ある場所がビジネス街になり、別の場所に政治の機能ができたりというのは、
地形の影響、そして歴史の中で周囲の影響を受けたことなどによります。

西野さんは、この都市の成り立ちを
歩き回っているうちに、頭の中で構築しているのに違いありません。
そのままキャンバスに再現することが、最も適した表現であって、
インパクトのある作品になるのです。

会場では、2004年と2014年の東京、そしてヨハネスブルグが展示されています。
東京の10年間の違いを探してみるのも楽しい経験です。

西野壮平
今回、西野さんは、「Diorama Map」の公開制作を行います。
キャンバスに都市が作られる様子を目撃できる、またとないチャンスです。

 

西野壮平写真展「Action Drawing: Diorama Maps and New Work」
IMA Concept Store
2015年11月26日〜2016年1月17日

 

 

 

 


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