JBpressが運営している「Japan Innovation Review」の「良書抜粋」で『「アート思考」の技術』第2回の記事が公開されました。今回は「仏ビジネススクールで誕生したアートとビジネスを融合する方法とは? 「アート」「デザイン」「論理」をどう使い分け、イノベーションを生み出すか」というタイトルで、「アート思考」「デザイン思考」「論理的思考」の比較に焦点をあてています。
第1回では「アート思考」の定義を明確にしましたが、それによって「デザイン思考」との比較も容易になりました。
私の著書『「アート思考」の技術』では、3つの思考法を比較した表を掲載しています。この表は、長年企業経営に携わってきた方と共同で作成しました。彼は、論理的思考に重きを置いてきた方ですが、この表で3つの思考法が明快に理解できるとコメントしています。
異なる起点から生まれる3つの思考法
3つの思考法はそれぞれ発想の起点が異なります。
「アート思考」は自身が起点であり、斬新なコンセプトの創出を促すものです。「デザイン思考」は顧客を起点にしており、ニーズに応える解決策を模索します。一方で、「論理的思考」は社会情勢や企業業績などが起点となり、これを分析することで結論に至ります。
これらの起点の違いにより、各思考法は異なる特徴と得意領域を持ちます。「アート思考」は既存の常識を覆し、未知の創造を可能にします。「デザイン思考」は顧客のニーズに応えることで事業を拡大させる力を持ちます。「論理的思考」は広範な分析を通じて納得のいく結論を導きます。
使い分けの重要性
これらの特性を理解し、適切に使い分けることが成功の鍵です。たとえば、アート思考で革新的なコンセプトを生み出したとしても、製品の要件を検討する際には論理的思考が不可欠です。また、初代製品のリリース後に顧客ニーズに応じて展開する際にはデザイン思考が重要になります。
関連リンク
Japan Innovation Reviewで『「アート思考」の技術』が紹介されました