7回目の開催となる「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」、
京都市内の歴史的建造物などで展示が行われています。
京都文化博物館別館では、ポートレートの巨匠、アルバート・ワトソンの日本初の回顧展が行われ、
迫力あるポートレート の数々を観ることができます。
見えなくても心を揺さぶる「VIBE」
2019年のKYOTOGRAPHIEのテーマは「VIBE」、
素晴らしい作品に出会ったとき、印象的な出来事に対峙したとき、
私たちは自身の中に眠る何かが覚醒することがあります。
その何かは、私たちを新しい世界に導いてくれることでしょう。
そんな覚醒をもたらす作品を選び展示されています。
アルバート・ワトソンのポートレートはまさに観るものの心を揺さぶります。
ポートレートは被写体の生き様を写す
優れたポートレートにはエネルギーがみなぎっています。
単に被写体の顔を写すのではなく、その人の生き様を写しているからです。
写真家は、真摯さ、愛情などその人間性を総動員して
相手の生き様を引き出し、その瞬間を捉えます。
アルバート・ワトソンが撮影している著名人の場合、
撮影慣れしていて、そう簡単に生き様を出すようなことはありません。
しかし、アルバート・ワトソンは、普通にコミュニケーションをとることで、
相手のVIBEを捉えています。
もちろん相手のことを事前に調べ、
コーヒーが好きだとわかると、撮影前にコーヒーを出すという心配りも欠かしません。
野生を感じるポートレート
今回、サルなど動物の写真も一緒に展示されていますが、
動物が人間のように見え、
逆に人間が動物のように感じる作品が結構あります。
「Wild」というタイトルの通り、
生き様を通り越して、野生性までも覚醒してしまったかのようです。
KYOTOGRAPHIEのメインイメージにもなっている、
1989年の坂本龍一さんのアルバム「Beauty」のカバー写真、
天から降ってきた音楽を浴び、今にも空に舞い上がっていきそうな
神秘さを感じる作品です。
開催概要
Albert Watson 「Wild」
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭
会期:2019年4月13日〜5月12日
会場:京都文化博物館 別館
京都市中京区三条高倉
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