グリッドに見る文化の価値 – ベルナール・フリズ

ベルナール・フリズ

PERROTIN TOKYOKaikai Kiki Gallery

フランス人アーティストのベルナール・フリズの展覧会が開かれています。

5月からパリのポンピドゥー・センター国立近現代美術館で回顧展が始まるのを前に、

東京で新作を含むペインティングの展覧会が実現しました。

日本で行う展覧会はなんと13年ぶり。

 

ブラシでグリッドを描いた作品、春にふさわしい柔らかな色づかい。

 

彼は作品を制作する際に自分なりのルールを決めて、

工業製品を作る時のようにそのルールに厳格に従うそうです。

例えば、一つの作品を創るにあたり二人のアシスタントに加わってもらう、

限られた色のパレットを使う、

そして大きなブラシを使うといったことです。

 

ベルナール・フリズ

 

ルールを決めながらも、完成した作品はそれぞれ個性が異なります。

特に近づいてみると、いろいろな景色が見えてきます。

絵の具の溜まっている部分マーブル、

ところどころ色の濃淡があるなど実は複雑なストローク。

 

ベルナール・フリズ

作品にどんな意味があるかについては、鑑賞者に委ねられています。

本棚のようにも見えるし、カーテンのドレープのようにも見えます。

グリッドというシンプルな構造ながら、

複雑ストロークが人の様々な記憶を呼び覚ますようです。

 

フリズは、グリッドの作品をいくつも制作していますが、

彼にとってはどれも等しく重要です。

それは、文化と似ているといいます。

地球上にはいろいろな人々が生活していてそれぞれに文化を持っています。

それらを比較してみると、共通する部分もあれば異なる部分もあります。

そして文化には優劣はなく全て等価なのです。

 

ベルナール・フリズ

 

ベルナール・フリズ

 

BERNARD FRIZE
会期:2019年3月22日- 5月8日

会場:

ペロタン東京(東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F)

Kaikai Kiki Gallery(東京都港区元麻布2-3-30元麻布クレストビルB1F)