6月16日(土)、潘逸舟さんをお招きしてAOYAMA Unlimited vol.4を開催しました。
今回は、展覧会向けに制作された以下の5作品を上映しました。
1. 呼吸 ~蘇州号~ (2013年 11’24″)
2. 一本の紐 (2013年 6’23″)
3. 海で考える人 (2016年 6’53″)
4. Not Ocean (2017年 15’15″ )
5. そうじのれんしゅう (2018年 14’23″)
5本全てがサイレント、しかも4本はモノクロ作品という100年前にタイムスリップしたかのような上映会、音を立ててはいけないと緊張感に満ちた時間でした。
潘さんの作品の多くは自分の肉体を使い海や大地に挑む姿を映していてユーモラス、しかし世界のある場所では、故郷を追われた人々が命がけで彼と同じような行為をしているのです。
潘さんは世界のいくつかの場所でレジデンスをしていますが、人間が移動し定住しようとすることで生じる争いや文化の交わりがどの場所にも存在することを知り、それが作品の題材となっています。
また、無声映画の時代から100年の時間が流れ、現在はAIが映像制作の分野にも進出してきています。2016年には、人工知能「ワトソン」が100本のホラー映画の予告編を学習し、新作映画の予告編を作るに至りました。機械が人間の仕事を行うようになり、人間は機械のメンテナンスをしている、この逆転現象にも潘さんは興味を持ち、とんでもなくアナログな作品を紹介してくれました。
サイレント&モノクロで表現するからこそ、現代社会が抱える課題が浮かび上がってくるようにも思います。
潘さん、モデレータの東海林さん、そして参加してくださった皆さん、ありがとうございました。