光と音による対話 – カールステン・ニコライ『Parallax』

Carsten Nicolai

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市原湖畔美術館で国内15年ぶりとなる、カールステン・ニコライの個展が開かれています。
展示されているのは、コンセプチャルなインスタレーションと電子音楽による作品を中心とした6プロジェクト。

メインの作品は「unidisplay (ichihara version)」、24種類の映像パターンと電子音楽からなるインスタレーション。
暗い空間、横18mの緩やかにカーブした壁面を、白と黒のライン、サークル、スクエアが、電子音と連動して縦横無尽に動いていく。両脇には鏡壁が設置され、映像が無限に広がるように感じられます。
絶え間ないデジタルの動きと電子音、身体に響くバイブレーションに包まれていると、高速で移動している原子の世界に入り込んだような気分になります。

Carsten Nicolai

Carsten Nicolai


カールステン・ニコライは、この作品で、信号を用いることで、非言語による意味の生成、伝達、受容、解釈が可能かどうかを検証したいと考えているそうです。

24のパターンそれぞれで、思い浮かべることが微妙に異なるので、投影するパターンの順番を工夫すると、作者の意図を伝えることもできるようになるかもしれません。
人間の感覚に進化を促すチャレンジングな作品です。

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Carsten Nicolai

この市原湖畔美術館、千葉の内陸部にあり、最寄り駅は、歩いて20分ほどにある、小湊鉄道・高滝駅。
無人駅で乗車券は車内で購入、全駅が書かれた紙に鋏でパンチを入れる昔懐かしい乗車券。

デジタルアートとレトロな鉄道の組み合わせ、アートの旅ならではの楽しみです。

Carsten Nicolai

Carsten Nicolai

Carsten Nicolai

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カールステン・ニコライ:Parallax パララックス
2017年3月18日 – 5月14日
市原湖畔美術館