記憶に残るゲーム – 潘 逸舟『As far as I know』

潘 逸舟

ARATANIURANOで潘 逸舟さんの個展が行われています。
潘さんは、上海生まれで小さい頃に日本に移り住み、
高校時代に自らパフォーマンスした映像「My Star」を制作、
現代アートの道に進みます。

テーマとして、国家やアイデンティティにフォーカスした
映像作品が多く見応えがあります。

今回の個展で、大画面で上映されている作品が「Musical Chairs」
干潮時にだけ少し頭を出す小さな島、
この島の上で5人が繰り広げる椅子取りゲーム、
負けた者は順次島から立ち去ります。

この作品は2チャネルになっていて、もう一方の画面では、
満潮時、島がすっかり海の中に沈んでしまった海面を
ただただ映しています。

地球レベルで見れば、取るに足らない土地を奪い合う、
その光景は、現実の世界でもよく目にします。
しかも現実の領土争いでは、突如島に侵入したり
相手の船を攻撃したりと海賊まがいの行為が繰り広げられます。

「Musical Chairs」では
プレーヤーは、椅子取りゲームという最も単純なゲームを、
ルールを厳格に守って黙々と戦います。

このストイックで美しい映像が、武器などを描かずとも、
現在の世界情勢を映し出していて
しかも記憶に残るパワーを持っています。

自ら指定した真紅の壁にシンプルなフロッタージュの作品を掛けるなど
展示も効果的に構成されていて、潘さんの感性を感じることができます。

潘 逸舟

潘 逸舟『As far as I know』
2016年3月5日〜4月2日
ARATANIURANO


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