カメラをめぐる実験 – 『/in/visible_GABOMI.展』

GABOMI.

資生堂ギャラリーでGABOMI.の個展が開催されています。

大きな壁一面オレンジに輝く朝陽。
瀬戸内海の船上で撮影したものですが、
カメラのレンズを外し、自分の拳をレンズの代わりにカメラにあて、
ピンホールカメラの原理で撮った作品、
この手法をTELENSと名付けています。

レンズをつけて撮れば、空と海はくっきり分かれるものですが、
この作品は周りの景色ははっきりせず、赤と白の色が渦を巻いています。
太陽の光を受け、自分の手の中を流れる血液の色が写っているのだそうです。

レンズをつけていては得られない神々しい世界、
太陽と自分の身体が繋がっていることを感じることができます。

このTELENS、普通の被写体も撮ることができますが、
撮り始めた頃は、ピントを合わせて像をつくるまで1時間近くかかったそうです

体力勝負の撮影で、像が流れてしまうことが多いそうです。
それだけ大変な撮影法なので、
思い入れの強いシーンのみを、この方法で撮っています。

太陽の作品の向かいには、抽象的な作品が3つ並んでいます。
これらは、レンズを外して神社の社殿を撮影した「神気」シリーズ。
この写真も景色ははっきりせず、神社とは思えない不思議な色に包まれています。

GABOMI.
レンズを外すことで初めて見えてくる光。

太陽から発せられたエネルギーの循環、
古来、この循環を人々は神と崇めてきました。

レンズを外して撮影したNOLENSシリーズが別の部屋にも展示されています。
これがまた圧巻。

花びらをカメラの中に押し込んでアウトフォーカスで撮影すると、
形は写らず色だけが抽出され、
プリントして並べると、まるでカラーパレット。
このようにして抽出した色は500色を超えます。
被写体の最も重要な要素を、色で表現した意欲的な作品です。

GABOMI.
カメラを駆使して、普通では得られない写真を撮る、
それは、物事の表層からはわからない本質の探求、
このような作品が撮れるようになるまで、
数多の試行錯誤があったに違いありません。

止まることなく探求を続けるGABOMI.さんの
チャレンジ精神とエネルギーにあふれた展示を
是非味わってほしいと思います。

第10回 shiseido art egg
/in/visible_GABOMI,展
2016年3月2日〜3月25日
資生堂ギャラリー


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