『瞬間を、永遠に』− amanaプラチナプリント作品展 

Herbert George Ponting

IMA Concept Storeで、プラチナプリントの展示が行われています。

プラチナプリントは、1873年に発明された、
プラチナ印画紙に画像を定着させるプリント方法。
銀塩プリントに比べ、クオリティに優れ、
経年変化も少ないという特徴をもちます。

今回展示されている写真の中に、
1911年、南極点到達一番乗りの熾烈なレースを戦った、
英国スコット隊を写したHerbert Pontingの作品があります。

スコット隊は、南極点到達をノルウェーのアムンゼンに先を越され、
しかも戻る途中で遭難し、生還できなかった悲劇の探検隊。

Herbert Pontingの有名な作品
「Grotto in berg, Terra Nova in distance」
100年以上前に撮影されたにも関わらず、なんとも鮮やか。
洞窟の中の漆黒と氷の輝く白、
氷壁の表情がくっきり出ているところに驚かされます。

amanasalto社は、デジタル技術とアナログプリントを融合させて
新たなプラチナプリントの技法を開発しました。
従来のプラチナプリントは、感度が低くネガと印画紙を密着させる必要があり、
引き伸ばしが出来ないという欠点もありました。

しかしamanasaltoでは独自開発したレザーの紫外線露光機を使用し、
デジタル化したデータを直接印画紙に焼き付けます。
これによって解像度と階調の劣化が生じにくい、
最大サイズ30 x 44インチまでの高品位のプリントが可能になりました。

瞬間を切り取る名手、Elliott Erwittの「Santa Monica, California」
車のミラーに映った男女、その向こうに広がる海と空。
奥行きが豊かに感じられるのもプラチナプリントの特徴、
1955年の劇的なシーンが、時空を超えて今この瞬間に起きているかのよう。

Elliott Erwitt

Sarah Moonの「Horizon series #01 Le marabout」
写真の本質はモノクロームと語る彼女は、
初めてプラチナプリントを制作するにあたり、
透けるように薄い土佐和紙にプリントしました。
水墨画のような幽艶な世界が表現されています。

Sarah Moon

デジタルと出会うことで、表現のバリエーションを手にしたプラチナプリント、
アーティストたちのアイデアで、
特徴ある作品が次々生まれることを期待しています。

amanaプラチナプリント作品展  瞬間を、永遠に
2016年11月18日〜2017年1月14日
IMA CONCEPT STORE