紀尾井町の特設会場で、「Volez, Voguez, Voyagez – Louis Vuitton
(空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン)」展が開催されています。
創業から現在までの歴史を紹介した展覧会、これまで見たことない鞄が大集結。
ルイ・ヴィトンは14歳の時にフランスの田舎町を飛び出し、
パリで木箱製造職人となりました。
そして、1854年、33歳で旅行カバン専門アトリエを創業します。
1837年にパリに鉄道が敷かれ、馬車から鉄道に交通手段が変わろうとした時代、
それまでの丸い蓋ではなく、
車内で積み上げられる平らな蓋のトランクを創り出します。
また、材質も革から、軽いコットンを用いた
「グリ・トリアノン・キャンバス」に変更し、評判を得ました。
1910年、タイタニック級の豪華客船の時代、
長期間の船旅の中で、人々はその日の予定に合わせて衣装を変えるようになり、
「スティーマ・バッグ」が流行します。
一方、人気が出ると模造品が出回るようになり、
新しいデザインの誕生につながりました。
日本の市松模様からインスパイアされた「ダミエ」、
そして現在もルイ・ヴィトンを代表する「モノグラム」。
ルイ・ヴィトンは、移動手段の発展に合わせて、
機能とデザインを追求し新たな鞄を投入し続けたことで
ブランドを築いてきたことがわかります。
「100 Innovations That Transformed Tourism」という論文にも
ルイ・ヴィトンの鞄が挙げられていて、
「旅のアクセサリーの社会的意味を変えた」と書かれています。
人間は、渡り鳥と違って、自分が移動する時に
いろいろなものを一緒に持ってきたくなる生き物です。
そんな人々の要望に応え、神わざのような収納を実現させた鞄も登場。
マハラジャのティーケース、
タイプライターまで収納できる書棚トランク、
20世紀の旅には物語がありました。
それに対し、移動時間が短くなり、
タイプライターもPCに置き換わってしまった今、
草間彌生や村上隆などアーティストとのコラボを提案。
各ラインを1年で廃番にすることでコレクションの価値を持たせ、
社会的意味のさらなる変革にチャレンジしています。
このチャレンジし続ける姿にブランドの真髄を感じます。
「Volez, Voguez, Voyagez – Louis Vuitton」
(空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン)
2016年4月23日〜6月19日