銀座のCite du Temps GINZAで、Jordi Forniesの日本での初個展が開かれています。
Jordi Forniesはスペイン生まれで、アイルランドを拠点としているアーティスト。
展覧会の場所は、SWATCHグループのビルの最上階。
SWATCHグループは、アーティストのサポートをしていて、
Jordi Forniesは、2013年に上海の「Swatch Art Peace Hotel」に
滞在して制作をしたことから、今回の展示が企画されました。
銀座のビルの最上階とあって、この部屋は壁が1面だけ、
残りの3面はガラス張りです。
そのため、作品は天井からつったワイヤーにかけてあります。
高さも向きもランダムで、3次元空間に自由に浮遊する作品たち、
展覧会のタイトルの『Constellations(星座)』がぴったりです。
作品は、古い壁の写真。
彼は、アジアの11の街を旅して、共通点をみつけようとしました。
そして見つけたのが、古く壊れかけた壁。
壁は人が、自分の居場所を確保するために造るものですから、
街には必ず存在します。
壁といえば、グレーで味気ないものを思い浮かべるものですが、
彼の眼を通して切り取られた壁の姿はものすごく多様、
地層のような自然の造形を写しているかのようにクールで美しい。
Jordi Forniesは壁を通して、そこで生きてきた人々の息吹や
街の歴史・ストーリーを感じとろうとしました。
モノトーンの壁は水墨画のような趣があり、
悠久の時間を耐え抜いた力を感じます。
一方で、ビビッドな色が何層にも重ねられた壁、
争いの歴史が刻まれているのかもしれません。
そして、どの作品にも小さな黒い木が描かれています。
彼が壁に書き加えたものですが、彼自身を表しているといいます。
異邦人としてその場所に立ち止まった記録、
鉱物的な質感の中に木の曲線を観ると、
ほっとする温かさをもっています。
会場には、各都市で彼が感じた言葉も記され、
彼自身が作曲した曲が流れ、
Jordi Forniesがの旅を追体験できる展覧会。
Jordi Fornies『Constellation』
2015年11月6日~2015年11月18日
Cité du Temps GINZA