ポーラミュージアムアネックスで行われている
4人の若手アーティストによる展覧会『凝縮と拡充』
その中のひとり瀬山葉子さんは、
光を使ったインスタレーション『Saiyah』を発表しています。
小さく囲われた空間に、
様々な色の光が揺らいでいて、少しずつ色や形が変化していきます。
それは万華鏡の中に入り込んだような雰囲気。
ところが、この世界を演出しているのは物理的手法。
一つの光源から出た透明な光。
特定の波長の光のみを反射するダイクロイックグラスに出会うと
分光され、色が現れます。
4枚のダイクロイックガラスは、ゆっくり回転していて
そのため、光が変化し続けるのです。
さらに壁に鏡が貼られていて、
実際の部屋の大きさよりもずっと奥行きを感じる光たち。
絵具に光があたると、特定の波長が吸収され、
残りの反射された波長の光を見て色を認識します。
『Saiyah』は、絵画の原理に改めて気づかせてくれる作品なのです。
そして、次々に変化していく様子はまさにライブドローイング、
シンプルでアナログな道具で見せてくれているのも素敵です。