木洩れ陽、その形を気にすることなどあまりない。
実は、葉がどんな形をしていても、木洩れ陽の形は丸い。
光源である太陽の形を映している。
ピンホールカメラと同じことが起きている。
そんな自然現象の面白さに気づかせてくれる
木村崇人さんの個展『テーブルの上/下から』が、
代官山のART FRONT GALLERYで開催されている。
木村さんの代表作である「木もれ陽プロジェクト」
天井に設置した光源、星型のフィルターを通して光が散乱している。
そして、藤棚のように葉を茂らせたインスタレーション。
床に映る木洩れ陽は、なんと星型!
木洩れ陽に形があり、それは光源の形であることが、
これだけ印象に残るのは、この作品を除いては、日食の時ぐらいだろう。
こんなふうに、自然現象の不思議さ、面白さに気づくと
ワクワクした気分になる。
一方、赤瀬川原平さんの『植物ワイパー』シリーズ、
こちらは、人が介在していないけれど、
やはり自然現象のおもしろさを観察で表現している。
実験と観察、自然への人間の探究心が科学とアートを結びつけている。