ギャラリーの空間に突如現れたアメーバ様の壁。
ここに火の鳥のような不思議な生き物の絵。
アラタニウラノで行われている浅井祐介さんの個展『この場所でつくる』。
アメーバ様の壁は、マスキングテープで作られています。
浅井祐介さんは、マスキングテープや泥を使った
ダイナミックな作品を創り続けています。
ところが、マスキングテープにしても泥にしても
ビッグな作品になると保存が難しくなります。
そのため、彼の作品は展覧会が終了すると
取り壊されてしまう運命にあります。
それだけに、展覧会のたびに全力投球で
作品制作に取り組んでいます。
その時その瞬間、その場所で制作することが重要と言います。
泥絵の場合は、その場所の泥を使って、
その場所、その時ならではの作品を創ります。
その瞬間が大事なので、ギャラリーのベランダにテントをはって
住み込みで創り続けたそうです。
きっと、アートの神様が宿ったに違いありません。
そして、展覧会のたびに新しいことにもチャレンジしています。
今回のチャレンジは青。
白金のアラタニウラノで個展を開くのは初めてで、
今まで使ってこなかった青い色の美しさに気づき、
青で構成することにしました。
都会的なスマートな作品という印象。
今回はライブペインティングもやってくれました。
ギャラリーの空間にマスキングテープを蜘蛛の巣のように
張り巡らし、青いペンやスプレーを使って、
ものすごい勢いで描いていきます。
周りにころがっているものは全て使い
次々に新しい技を試している様は、
より高い次元を目指す火の鳥そのものです。