緻密なペインティングで、
独自の世界を築いている風能奈々さん
hikarieのギャラリーで行なわれている個展では、
初めてチャレンジした木炭のドローイングが展示されています。
ペインティングの時は、超極細の筆で繊細な表現をしていますが、
ドローイングはかなり大胆なタッチ!
彼女の世界がさらに広がった、
そんな瞬間に遭遇できる個展です。
初チャレンジですが、
なんと130枚以上のドローイングを描いたそうです。
この130枚、
頭の中で繰り広げられている物語の場面場面を切り取ったものなのだそうです!
その物語は、最終回を迎えることはなく、いつまでも続いていきます。
ギャラリーに展示されているのは、代表的な十数枚。
描かれているのはかなり不思議な世界です。
赤頭巾ちゃんがオオカミのお腹を裂いて、その中に石を詰め再び縫合していたり、
女性がマントを広げている姿と、
鏡に映したように同じシルエットでコウモリが翼を広げていたり。
でもどことなく愛らしさが感じられます。
そして、可愛いドレスや素敵な椅子がメインに描かれている作品も。
黒の空間の中に
不思議で愛らしいキャストたちが浮かび上がる、
そのタッチに彼女の凄さを感じます。
私たちと同じ世界と、物語が繰り広げられている次元とを
彼女は自由に行き来することができるのでしょう。
いろいろな次元を楽しむことができるのもアーティストの特質ですね。
130枚のドローイングを床や壁にぎっしり貼って
その中で呼吸をしたら、物語のキャストたちの会話が聞こえてくるかもしれません。