コーヒーかすを再利用するテクノロジーとヴィック・ムニーズの素材を観る目

コーヒーかすを再利用するテクノロジーとヴィック・ムニーズの素材を観る目

 

毎日飲んでいるコーヒー、

その分コーヒーかすが大量に出てきます。

また、コーヒーの種子から生豆を取り出すときに、果肉を除いています。

そのため、コーヒーの生産のため、年間20億トンの廃棄物が出ると言われています。

 

飲料メーカーなどは、その再利用に力を入れており、再利用率はかなり高いようです。

また、コーヒーかすや取り除いた果肉には、有用な成分が含まれていて、

大学などでは、その抽出技術の研究が進んでいます。

 

ここでは、ユニークな再利用の技術をいくつかみてみましょう。

 

スターバックスとメニコンのコラボレーション

まずは、コーヒーチェーンの雄、スターバックス。

スターバックスでは、コーヒーかすのリサイクルのシステムが確立されていて、

各店舗から回収されたコーヒーかすは、リサイクル施設で牛の餌やたい肥に変換されています。

 

しかし、牛はコーヒーの臭いが嫌いで、作った餌を全く食べてくれなかったそうです。

そこに登場したのが、コンタクトレンズのメニコン、洗浄液の酵素の研究から

コーヒー豆を乳酸菌で発酵させると甘酸っぱい香りになることを提案してくれました。

これにより牛の餌としてのリサイクルが完成しました。

このように、通常だと出会うことのない企業がコラボレートすることで

イノベーションが生まれるのはいいことですね。

 

スターバックスは、コーヒー粕をトレイや店舗の内装材にも利用しているそうです。

内装材とコーヒーカップ

そして、内装と言えば、「マグ・アートパネル/コーヒー」というパネルが発売されています。

コーヒーかすと牡蠣殻をまぜて作られていて脱臭効果があります。

コーヒーかすの配分を変えることで色合いを変えることができ、仕上げもいくつかパターンがあるそうです。

 

ドイツのKaffeeform社は、デザイナーのジュリアン・レヒナーさん

コーヒーかすで新しいものができないかと試行錯誤して開発したコーヒーカップを発売しています。

バイオポリマー、天然樹脂など全て再生可能な材料で作られています。

 

コーヒーかすを再利用するテクノロジーとヴィック・ムニーズの素材を観る目

コーヒーかすを練りこんだ繊維

台湾のSINGTEXという会社は、コーヒーかすを繊維に練りこむ技術を開発し、

様々な繊維を販売しています。

脱臭、速乾、紫外線防止などの機能を持つ繊維ということです。

 

これまでみてきた再利用技術は、

コーヒーかすが多孔質で臭いを吸収する効果があることから考えられていて、

内装材や繊維にいかに練りこむかという技術的な課題に取り組んできた結果ということができます。

 

身の回りの素材で作品を創るヴィック・ムニーズ

話はかわりますが、コーヒーかすを内装材やカップに再利用するという話を読んだときに、

ヴィック・ムニーズがシャンパーニュ・メゾンのルイナールとコラボレートして制作した作品

「Shared Roots」を思い出しました。

ブドウの木、葉、木炭など、ブドウ畑で得られる自然素材を使って

ブドウの木をコラージュで表現、写真作品としています。

KYOTOGRAPHIEでも発表されました。

 

コーヒーかすを再利用するテクノロジーとヴィック・ムニーズの素材を観る目

コーヒーかすを再利用するテクノロジーとヴィック・ムニーズの素材を観る目

 

これは、ルイナールが現代アーティストを支援するプロジェクトとして行われたもので、

ルイナールのプロモーションの意味合いが強いと思いますが、

彼は、歴史的な報道写真などを、

チョコレートや砂糖といった身の回りの素材を用いて再現した写真作品を創っています。

取り上げた素材にまつわる状況も理解したうえで制作しているといいます。

 

そして、コーヒーを使った作品もありました。

ヴィック・ムニーズはブラジル出身ですが、

英雄ペレを、生産量世界1のコーヒー豆で描くというメッセージ性のある作品です。

再利用の技術を考えている人たちとは、視点がかなり違いますね。

 

でもこのアーティストのユニークな視点と、

素材を活かそうとするテクノロジーと融合すると

コーヒーかすもまた新しい展開が生まれるかもしれませんね。

 

開催概要

Vik Muniz: Shared Roots

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2019

会期:2019年4月13日〜5月12日

会場:ASPHODEL

      京都市東山区八坂新地末吉町99-10

 

関連リンク

コーヒーかすの活用 優れた科学検索ツールにより廃棄物を富に換える可能性

「環境のため」は当たり前。スタバのコーヒー豆リサイクルの先にあるのは?

コーヒーかすをリサイクルした自然素材の内装材パネル

日本でも販売中。ベルリン生まれのコーヒーかすから作るコーヒーカップ

Scafe

Vik Muniz

 

ポートレートは人の生き様を写す – アルバート・ワトソン「Wild」KYOTOGRAPHIE