GINZA SIXと香港の宙に舞うアート – 塩田千春「6つの船」

GINZA SIXのアート 塩田千春 6つの船

 

GINZA SIXの中央吹き抜け空間に、

塩田千春さんの新作インスタレーション「6つの船」が展示されています。

 

巨大な6隻の黒い船

無数の白い糸が雨のように張り巡らされた空間に、

全長5 mの黒い6隻の船が吊るされています。

 

黒い大きな船が商業施設の吹き抜けに浮いている姿はものすごい存在感。

エスカレーターから観ると、糸に光が反射して、

嵐の中を船が漂流しているようです。

 

GINZA SIXのアート 塩田千春 6つの船

 

GINZA SIXのアート 塩田千春 6つの船

 

塩田さんの作品制作のテーマは

「存在とは何か、生きているということはどういう意味なのか」

「私たちは何を求めて、どこへ向かおうとしているのか」

という問いかけ。

 

銀座は近代日本の発展を象徴する街。

多くの人の記憶が詰まったこの街から、

新たな海に出航することをイメージしています。

 

香港の白い船

ところで、3月末のArt Basel Hong Kongにも

塩田さんの巨大な船のインスタレーションが展示されていました。

こちらはGINZA SIXとは逆に黒い糸の中を白い無数の船が天に昇っていく展示。

 

GINZA SIXのアート 塩田千春 6つの船

 

タイトルは「Where are we going?」

私たちは目的地を求めて時間の海を旅し、船は夢と希望を運ぶ。

そんな存在だと塩田さんは語っています。

 

白い船が夢や希望を運ぶというのはわかりやすいですが、

銀座の船はどうして黒いのでしょう?

 

銀座と黒船、未来への舵取り

やはり、日本の近代化は黒船来航から始まったからでしょうか。

銀座には黒船というお菓子やお店がけっこうあります。

銀座に海外の店が出店すると、必ず黒船と呼ばれます。

 

新しい時代を迎えようというとき、再び銀座に現れた黒船。

変化のスピードはますます速くなっていて、まさに乱流の中の出航。

だからそれぞれの船の向きもバラバラです。

 

ここから座礁することなく目的地を見出すという絶妙な舵取りは

私たち皆の腕にかかっているのです。

 

 

開催概要

塩田千春《6つの船》

展示期間:2019年2月27日 – 10月31日

展示場所:GINZA SIX 2F中央吹き抜け

東京都中央区銀座6丁目10-1

 

 

Chiharu Shiota “Where are we going?”

Art Basel Hong Kong, Encounters

会期:2019年3月29日 – 3月31日

会場:Convention & Exhibition Center

      1 Harbour Road, Wan Chai

 

関連リンク

GINZA SIX

Art Basel Hong Kong

 

塩田千春

 

瞬間の哲学 – 塩田千春『State of Being』