AOYAMA Unlimited vol.3 毛利悠子 を開催しました

AOYAMA Unlimited

2月3日(土)に毛利悠子さんをお招きしてAOYAMA Unlimited vol.3を開催しました。

藤沢市アートスペースで発表した、初の映像作品「Everything Flows 1. 2」を上映した後、モデレータの坂口千秋さんとともに、最近の展示についてのトークをしていただきました。

「Everything Flows」は、毛利さんが訪れたいろいろな場所で、ちょっと気になるシーンを録画したもの。駅の天井に風船がトラップされているのに、誰も気づかず通り過ぎていったり、転がっているごみ箱にかぶせられたビニール袋が風にあおられ不思議なダンスを踊っている横を、馬車が優雅に歩いていったり。

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ほとんどの人が気に留めないけれど、映像で見せられると笑ってしまうような景色、毛利さんの視点のユニークさが引き立つ作品です。毛利さんは、これらのシーンを、作品へのインスピレーションになる種として集めているのです。

そして、その種を結実させた展示についてのトークがものすごくエキサイティングでした。

現在、京都国立近代美術館で行われている展示のタイトルがまさに「散種」展示会場全体をデュシャンの「大ガラス」にみたてたインスタレーション。毛利さんはデュシャンについてはめちゃくちゃ研究していて、彼の2次元の作品を3次元に展開していったようすを語ってくれました。

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大ガラスの作品で、花嫁に向かっている独身者たちの欲望のエネルギー、毛利さんのインスタレーションでは、欲望のエネルギーを電気エネルギーに変えて花嫁のヴェールを揺らしています。このヴェール、デュシャンが使ったものと同じ柄のものを探し求めた冒険譚がなんともドラマティック。

インスタレーションは、毛利さんの頭の中をモノを使って表現した世界、そして、トークは頭の中を言葉で表現すること、毛利さんにとっては、この二つは表裏一体に違いありません。

まだ、作品を観ていない私も、トークを聞くことで、インスタレーションの姿をありありと思い浮かべることができます。

「モノが誘惑する」という表現がとても印象的でした。

知的な刺激にあふれ、普段なまけている私の頭脳をびしびし活性化させてくれたそんなイベントでした。

毛利さん、そして坂口さん、ありがとうございました。

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