野田秀樹『足跡姫』/篠山紀信『写真力』

足跡姫

篠山紀信

東京芸術劇場で行われているNODA・MAP 第21回公演
『足跡姫 時代錯誤冬幽霊』
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舞台へ江戸、歌舞伎の始祖・出雲阿国の子孫
三、四代目阿国(宮沢りえ)一座はストリップまがいの踊りで人気を博していたが、
肌を出す踊りを禁じる幕府の法度が出され窮地に。
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起死回生の、大衆にうける歌舞伎の筋を
阿国の弟サルワカ(妻夫木聡)が書くことになるも、
サルワカは、ここから一番遠い所に行きたいと穴を掘り続ける変わり者。
書いた筋はなんとも哲学的、
そこに売れない幽霊小説家(古田新太)が現れゴーストライターを務める。
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幽霊小説家が書いた筋で芝居は行われるが、
突如阿国に足跡姫が憑依し、
狂気の舞となり、ついに真剣を抜いてしまう。。。
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十八代目 中村勘三郎へのオマージュとして書かれた芝居、
もはや姿はなくとも、その足跡(そくせき)は舞台にしっかりと刻まれている。
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足跡姫が憑依した宮沢りえの迫真、
一番遠い理想を求める妻夫木聡のひたむきさ、
舞台に立つ役者の生き様をありありと表現しています。
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そしてこの二人の姿、
勘三郎と野田秀樹の関係を描いているに違いありません。
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一方、横浜美術館では篠山紀信展 写真力が行われています。
『Santa Fe』の宮沢りえも、舞台での勘三郎の姿もあります。
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篠山紀信は、十八代目中村勘三郎襲名記念の写真集を撮影し、
さらに『足跡姫』のプログラムも撮影していて、
『足跡姫』とは深い縁があります。
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しかし、展示会場には、それ以上に「足跡姫」の気が感じられました。
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ここには、三島由紀夫からAKB48に至るスターたち、
歌舞伎役者たち、王・長嶋から羽生君、真央ちゃん
そして関取たちと誰もが知っている著名人のポートレートが展示されています。
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彼らは、それぞれの舞台に立つ時、
あたかも「足跡姫」が憑依したかのように
渾身の演技・勝負をするからスターであるのです。
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そして、篠山紀信のカメラは「足跡姫」の気をも捉えているので、
そのポートレートを観るとなんとも言えないゾクゾク感を覚えるのです。
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今回の展覧会のアーティストトークで、篠山さんは
「アイドルはもっと可愛くアイドルらしく、
女優は役になりきってさらに美しく。
女優の仮面を剥がして素の人間を写すのではなく、
むしろ嘘の上に嘘をつくこと、
仮面の上にさらに仮面を重ねることによってこそ、
その人のリアリティを獲得できる。」
と語ったそうです。
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これこそ「足跡姫」をも撮影してしまう篠山紀信の写真力。
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NODA・MAP 第21回公演
足跡姫 時代錯誤冬幽霊
東京芸術劇場プレイハウス
2017年1月18日 – 3月12日
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篠山紀信展 写真力
THE PEOPLE by KISHIN
横浜美術館
2017年1月4日 – 2月28日


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