AOYAMA Unlimited vol.2 田村友一郎のお知らせ

AOYAMA Unlimited

AOYAMA Unlimited − 現代アーティストと過ごす夕べ – vol. 2: 田村友一郎

AOYAMA Unlimitedは、時代を映す鏡としての現代アートの映像作品をアーティストとともに鑑賞し、参加された皆さんと相互交流できるイベントです。各回、気鋭のアーティストを招き、継続して実施することで、映像作品の潮流を俯瞰できる場にしていきたいと考えています。

第2回に登場していただくのは、田村友一郎さんです。田村さんは、ユニークな発想と丹念なリサーチからストーリーを導き出し、映像とインスタレーションに展開する表現手法で注目され、今年の日産アートアワードのファイナリストです。また、9月23日から小山市立車屋美術館で個展も始まりました。ファクトとフィクションの境界を曖昧にしてしまう、田村さんの独特の世界を毎回楽しみにしているファンの方も多いことでしょう。

今回、AOYAMA Unlimitedのために田村友一郎さんがつけたプログラムタイトルは、『田村友一郎のEIKO論』。現在開催中の2つの展示、日産アートアワードの展示(横浜BankArt)と小山市立車屋美術館の個展をつなぐ「グロリア=栄光=EIKO」がキーワードです。時期を同じくして開催されることになった、この2つの展示にまつわるバックストーリーを、会期中のタイミングで披露していただけることとなりました。さらに、過去の映像作品の上映に加え、現在取り組んでいるオランダのライクスアカデミーでのプロジェクトについてもご紹介いただけるとのこと。全てを包括する『EIKO論』。ステートメントを読むと、プログラム全体が、バーチャルなインスタレーション作品のように見えてきます。

田村さん自らステートメントも用意してくださった100%オリジナル・プログラム。開催中の展示を既にご覧になった方にとっても、これからご覧になる方にとっても、田村さんが取り組むテーマと世界観をより深く理解できるまたとない機会です。
田村友一郎さんと過ごす一夜限りのサロン・イベント。お見逃しなく!

◎イベント概要
AOYAMA Unlimited – 現代アーティストと過ごす夕べ
vol. 2:  田村友一郎
日時:2017年10月20日(金)19:00-21:00
場所:void+ (東京都港区南青山3-16-14 1F)
主催:void+, E&K Associates
協力:Yuka Tsuruno Gallery

◎プログラム

1. 作品上映  40分
『アポロンの背中』2016年度愛知県美術館/愛知芸術文化センター委嘱作品、20分 

 *『裏切りの海』(「BODY/PLAY/POLITICS」展, 横浜美術館, 2016)の原案にあたる映像作品

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Apollo's Back


『アポロンの裏切り』2016年度愛知県美術館/愛知芸術文化センター収蔵作品、20分 

*『裏切りの海』を映像作品化としたもの

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Milky Bay

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2. プレゼンテーション・トーク 40分
『栄光と終焉、もしくはその終演 / End Game』日産アートアワード2017
『試論:栄光と終末、もしくはその週末 / Week End』小山市立車屋美術館

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AOYAMA Unlimited/

 

3. プレゼンテーション・トーク 20分
プロジェクト・アイアス / Project Ajax
オランダ・ライクスアカデミーで10月に行うギリシア神話の登場人物アイアス(Ajax)に関するプロジェクト

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AOYAMA Unlimited/

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◎アーティストによるステートメント
『田村友一郎のEIKO論』

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田村友一郎は現在、テーマを共有している2つの作品を異なった場所で展開している。横浜のBankArtで開催されている日産アートアワード2017で発表している作品『栄光と終焉、もしくはその終演 / End Game』、そして栃木県の小山市立車屋美術館で発表している作品『試論:栄光と終末、もしくはその週末 / Week End』。そのどちらのタイトルにも挿入される栄光(=グロリア)という言葉。実際の作品では日産自動車でかつて販売されていたグロリア(Y31型)が作品を駆動する。小山市立車屋美術館では公用車である黒のグロリア、日産アートアワードではシルバーのグロリアが起用されている。

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この田村がこだわる栄光という言葉、そもそもの話は1年前に遡る。横浜美術館での企画展「BODY/PLAY/POLITICS」で発表した『裏切りの海』と題したインスタレーション作品、その作品の下敷きとなったのは横浜を舞台にした三島由紀夫による小説『午後の曳航』である。曳航とはしているが、これは三島なりの栄光論であり、彼なりの栄光との折り合いのつけ方、もしくは始末に関する記述である(それは市ヶ谷での最期に至る布石としても読みとれるわけだが)。

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そして、もうひとつの栄光ー 2017年の春、そして10月に田村は、オランダ・アムステルダムにあるライクスアカデミーのレジデンスに参加する。そこでのプロジェクトもある意味では、これらの系譜に連なるものとして捉えられるかもしれない。中世からの歴史を持つアカデミーで長らくデッサンの題材として使用されたトルソが田村の目を惹いた。世に言うベルヴェデーレのトルソと称されるそのレプリカは、ギリシア神話に登場する英雄アイアスがモチーフと言われている。アイアス、表記はAJAX。そうアムステルダムのサッカーチーム、アヤックスはこのアイアスに由来している。伝説では神に欺かれたことを嘆いたアイアスはその最期、自身の体に刃を向け亡くなる(どこかで聞いたような話だ)。栄光との決別は総じて儚い。

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*10/20のイベントでは、田村が近年テーマとして扱っている「栄光」を軸に、映像を交えたトークを展開する。

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◎参加費
・事前予約券:5,000円(サイン入りプログラム、ドリンク付き)
・「Gloria」オリジナルプリント1枚(A or B)+事前予約券:50,000円 (2種類、各種類限定3)
・「Gloria」オリジナルプリント2枚(A and B) 額入り +事前予約券:100,000円(限定3)

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End Game/

Week End/
・当日券:6,000円

*オリジナルプリントは、このイベントのためにプリントした限定エディションで、2枚セットの額装は田村友一郎さんのディレクションによるものです。
予約時に限定数に達しなかったエディションは、当日会場で販売予定です。

なお、参加費の一部は、アーティストの支援に使わせていただきます。

◎予約方法
下記のサイトから、お申し込みください。

www.aoyama2017ul.thebase.in