春の光・茶室・磁器 – 『現代作家による 茶室でみる磁器の現在』

新里明士

春を感じる柔らかな光が注ぐ根津美術館の茶室で、
現代作家たちの磁器の展示が行われています。

根津美術館

今回は、弘仁亭で庄村久喜さん、
披錦斎・一樹庵で新里明士さんの作品が展示されていました。

茶室は長い伝統をもつ独特の空間、
展示する作品は、茶室の世界観と調和していなければなりません。
しかも、この世界観に埋もれないように主張することも必要です。

相反する条件にチャレンジした作品たち、
美術館のライティングとは違い、
自然光の中で陰影にあふれた姿を見せてくれています。

庄村さんは、白磁に絹のような光沢感を出す「白妙磁」を開発しました。
純白の磁器に描かれたシャープなラインがとても美しい。
このライン、ろくろで形を作り乾燥させた後、
少しずつ丁寧に削っていくことで初めて生み出されます。

庄村久喜

庄村久喜

庄村久喜

新里さんは「光器」と呼ばれる作品で有名です。
生地に、ドリルで小さな穴をあけ、
釉薬をかけ焼き重ねると穴が埋まり、
透明感のある作品が誕生します。

新里明士

新里明士

新里明士

二人の作品とも繊細で、
光のあたり方によってガラッと見え方が変わります。
根津美術館の茶室のような緑に囲まれ
光の差し込む空間で見ることができたのはとても素敵な経験です。

根津美術館

根津美術館

根津美術館

特別催事「現代6作家による 茶室でみる磁器の現在」

2017年1月20日(金)21日(土)22日(日) 加藤委氏【弘仁亭・無事庵】
2017年1月27日(金)28日(土)29日(日) 庄村久喜氏【弘仁亭】、新里明士氏【披錦斎・一樹庵】
2017年2月3日(金)4日(土)5日(日)          今田陽子氏【斑鳩庵・清渓亭】
2017年2月10日(金)11日(土)12日(日) 和田的氏【閑中庵・牛部屋】
2017年2月17日(金)18日(土)19日(日) 十四代今泉今右衛門氏【弘仁亭・無事庵】

根津美術館