銀河鉄道を辿る− 石川直樹『SAKHALIN』

石川直樹

石川直樹さんの写真集『SAKHALIN』刊行記念トークショーが
IMA Concept Storeで行なわれました。

表紙カバーは、白の中に猟師の姿、
まさに北の果てらしい写真。
しかし、カバーをはずすと鮮やかな赤と白の花々。

石川直樹
石川さんが初めてサハリンを訪れたのは2009年2月、極寒の季節。
そして2014年8月、奈良美智さんと夏のサハリンを旅しました。
写真集の表紙は、冬と夏、2つの旅を表現しています。

冬のサハリンは、とても厳しい世界。
都市間の移動は鉄道ですが、
昼間は軍事目的などで使われるようで、
旅客用列車が走るのは夜間。

このサハリン鉄道、かつて宮沢賢治も乗車したことがあります。

1923年、亡くなった妹 とし子 の魂の行方を探そうと旅に出た賢治、
サハリン鉄道は、『銀河鉄道の夜』のモチーフになったと言われています。

第二次世界大戦以前、サハリンの南部は日本領でした。
そのため日本の名前を持つ人がいます。
2009年の旅では、そんなおじいちゃんに案内をしてもらった石川さん、
2014年にも会いにいきますが、
高齢のせいか、日本語をあまり話さなくなってしまいました。

日本領時代、サハリンには王子製紙の工場がありました。
宮沢賢治も、王子製紙に勤める先輩に会いにいっています。

工場跡は放置されたまま、近代を語る廃墟となって存在しています。
日本国内にあれば、産業革命遺産に入れてもらえたかもしれないと
その朽ちた姿をカメラに収めます。

写真集『SAKHALIN』には、近代における日本とサハリンの関係性を
現在の姿からあぶり出しています。

そしてもう一つ、トナカイと共に今を生きるサハリンの人々。
石川さんの写真は、今にも動き出しそうな躍動の瞬間を捉えています。

常に旅をして驚いていたいという石川さん、
次の目的地は、世界第二峰「K2」
6月中旬には遠征に旅立ち、
この挑戦でも、いくつもの驚きに出会い
私たちに見せてくれることでしょう。

店内のカフェでは、この日限定の鴛鴦茶が売られていました。
コーヒーと紅茶を混ぜるという暴挙にでたお茶、
色はコーヒーと変わりませんが、味はどことなく中国茶風。

石川直樹

石川直樹
コーヒーも紅茶も標高の高い産地のものを選んだ、
「K2」に向かう石川さんへの応援歌。


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