芝居の言葉の重み―『火のようにさみしい姉がいて』

2014-09-15 11_Fotor1

大竹しのぶ、宮沢りえ、松たか子、
この三人は、今最も輝いている舞台女優だと思っている。

その中の二人、大竹しのぶ宮沢りえが共演する
見逃すことのできない舞台、
『火のようにさみしい姉がいて』

楽屋の鏡に向って「オセロ」の台詞をつぶやく男(段田安則)。
開演15分前、
かつて女優であった妻(宮沢りえ)が入ってくる。

昨日うまくいかなかった場面の稽古を始める二人、
稽古のはずが迫真の演技となり
いつしか男は妻の首をしめている...

男は現実と芝居の区別がつかなくなっている。

転地療養を薦められ
故郷に帰ってきた男と妻、
道を聞こうと立ち寄ったうらぶれた床屋で出会った女(大竹しのぶ)、

床屋の鏡を見ながら、
女と男は、男の少年時代の話を始める。
その話は果たして現実なのか、それとも虚構なのか...

この作品は、清水邦夫の作で1978年の初演、
当時の芝居の言葉には重みがあった。
芝居の中で繰り返されるシェイクスピアの台詞には
特に威厳があり、450年上演され続けてきた力を改めて感じる。

登場人物はけっこう多いが、
重厚な台詞を弾丸のように話し続けるのは、
大竹しのぶ、宮沢りえ、段田安則の三人。

現実と虚構の境をいかに消し去ることができるか、
この三人の力の見せ所。

元女優らしい凛とした美しさの宮沢りえと
亡霊が出てきたかのような妖艶さの大竹しのぶの対決、
そして二人の女性の間で翻弄される段田安則
見事に曖昧な世界を描き出している。


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